AkisaMiyona’s Blog

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アキサ ミヨナのブログ
今日はどんな1日でしたか?

桜もち考2

昔の桜もちのことを調べ続けているが、記述は本によって様々でなかなかつかめない。

『浪華百事談』の「かたくりの粉の水にてときし物を薄く焼き」のくだり。本当か。「水溶き澱粉を焼く」は可能か。「焼く」ではなく煮たり蒸したりする葛饅頭、葛桜のようなものかもしれない。

「柏餅のように糯米で製した」といっても当時の柏餅は現代の柏餅とは違うだろう。「餅で餡を包んだ」とは書いていないのだから、糯米粉の水溶きを平鍋で焼いたのかもしれない。平鍋とは何だろう。どら焼きのようなお菓子を平鍋物と呼ぶようだが、鉄製の平らな鍋、鉄板のようなものという理解でよいのだろうか。

桜もちについて調べていて一番驚いたのは、もともと大福もちは塩味だったということ。桜もちとは何の関係もないのだが、和菓子の歴史本を読んでいたら行き当たった。

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埼玉県には今でも「あんびん餅」という塩味の大福がある。塩味の効いた甘い大福ではない。餡にも餅にも砂糖は全く入っていない、塩のみで味付けをした大福である。

先日食べたあんびん餅のパッケージには「塩あんびん餅」とあった。あんびんは漢字で書くと「塩餅」となるらしい。「塩あんびん餅」を漢字で書くならば「塩塩餅餅」になってしまうが、誰もそんなふうには書かない。それだけ「あんびん」という言葉が文字としても定着しているのだろう。

見た目から普通の甘い大福だと思って食べた餅の味は「意外」に尽きる。食べ進むにつれ、さっぱりとして非常に旨いと思った。

そのままではなく砂糖や砂糖醤油をつけながら食べるのが一般的なようだ。和菓子大好き、あんこ大好きな人なら、そのままでは美味しいといえる味ではないのだろう。砂糖をまぶしたくなるのは当然だが、私にとっては「それじゃ台無し」だ。小さいころからあんこも煮豆も煮魚も「甘さ」が苦手だった。

そばつゆは昔は砂糖なしだった。大福も砂糖なし。我々が普段「伝統料理」と思っている砂糖どっさりの料理は、歴史の浅いものなのだろう。シュガーレスな昔の料理は私の嗜好に合うのかもしれない。

今の料理レシピは何でもかんでも絶望的に砂糖を入れすぎる。日本料理で砂糖やみりんを使わないものを探すのは大変なことだ。砂糖なし料理は一般的にはたぶん「不味い」という評価になるのだろう。

「残しちゃいけません」の教育のもと、仕方なしに砂糖あり料理に慣れるよう自分を仕向けてきたけれど、あんびん餅を食べて肩の荷が下りた。砂糖なしが良ければ入れなくて良いのだ。